リストカットをやめさせる方法 止めるのは逆効果?
ふと子供の手首を見ると、リスカの跡が…。
友人の手首に増えていく、リスカの跡…。
出来れば今すぐリスカをやめさせたいけれど、どうすればいいのか?何を言えばいいのか?わからない。
不要な事をして、かえって傷つけてしまうと怖い。
過去にリスカを繰り返していた私が、リスカを辞めるのに効果的だった方法をお伝えします。
大事な人のリスカをやめさせる為に、参考になれば幸いです。
リスカをやめさせる方法とは?
リスカをやめさせる方法は、ほとんどこれに集約されるのではないか?と私が思うものがあります。
それはたった一つ、リスカを受け入れる事です。
リスカを受け入れるという事は、リスカをやめなくてもいいと認める事。
「リスカをやめさせる方法が知りたいのに、受け入れてどうする!?」と思うかもしれませんね。
それでは、具体的な方法を出しながら説明を致しましょう。
1. 相手の話を聞く
リスカをしている相手の話を聞くこと、これが無ければ受け入れるも何も話になりません。
相手の話を聞くというのは、簡単な事のように見えて実は難しいです。
どんなに経歴の長いカウンセラーでも、これができていない人の多い事。
相手の話を聞くときに、事情聴取のように「ああなの?こんな感じ?」と質問攻めにしていませんか?
真顔で、うん、うんと静かに聞いているだけではありませんか?
相手の話を聞くとは、ただ単に聞くだけではダメです。
本当に相手を助けたいと思うのであれば、あなたの持つ想像力をフルに働かせて、話を聞いてください。
こういう境遇に相手は置かれている、もし自分も同じ境遇に置かれたらどう思う?
まるで相手になったかのような想像をし、感じたことを意見ではなく感想として応えます。
「そんなんだったら、息苦しくて嫌になっちゃうね。」
この感想が、相手にとって最強の共感ワードになるのです。
繰り返しますが、意見ではなく感想として言う事がキモです。
ここで「そんな奴らの為に悩んでいたら、時間がもったいないよ!」と言ってしまうと、相手は「ああ、この人は本当に苦しんでいる人の気持ちが分からないんだろうな」と確信し、相手は心を閉ざしてしまうでしょう。
ある程度元気になればそんなアドバイスも有効ですが、リスカをしているときの心は疲労困憊、耳に入りません。
本当に効果のある聞き方は、相手の話を聞いて想像をする事から始まります。
2. 「リスカをしても良い」と認める
リスカ経験者から言わせてもらうと、リスカをするなと言われれば言われるほど、リスカをやりたくなります。
リスカをするなという言葉はそもそも、リスカをする人を否定しています。
ただでさえ人生に絶望して、毎日のように自分で自分を否定して苦しいのに、また人に否定されたらどうでしょう?
「また否定された!!やっぱり自分は消えた方が良いんだ!!」と自己否定がエスカレート、そして精神安定のためにリスカを繰り返します。
まずは、リスカはしても良いんだと認めることです。
「リスカをしてしまったのは、仕方ない。悪いことではない」と言ってあげることはつまり、「そのままのあなたでも良い」と言ってあげる事と同じなんです。
「自分なんかダメだ」という自己否定の泥沼の中でもがいている人間からすれば、その言葉がどれほどありがたい事か。
「リスカはやめて!」と言いたい気持ちを抑えて、まずは相手を認めてあげましょう。
3. リスカをしなくても良い環境を一緒に考える
リスカをすることを認めるとはいえ、やっぱりリスカはやめて欲しいですよね。
そうしたら、相手と一緒に考えればいいんです。
リスカはしても良い、でも本当はして欲しくないという気持ちがあることを相手に伝えて、じゃあ自分はあなたの為に何が出来るのか?を本人と一緒に考えましょう。
「リスカしたくなったら、電話して」でも「リスカしたくなったら、私と美味しいもの食べに行くってことで」でも良いです。
出来るだけお互いの負担にならないようなもので、リスカの代わりになるものを見つけていきましょう。
このように、リスカをやめさせる近道はまず相手を受け入れることです。
現状、リスカをするメリットが大きい為にリスカを繰り返してしまっているのであって、そのメリットを上回る「何か」があれば、自然とリスカから手を引いていくものですよ。
リスカを辞めさせるのに逆効果になることも?気を付けたい言動3つ
リスカをやめさせるのに、気を付けたい言動があります。
これに気を付けずにいると、せっかく辞めさせたいのに全て逆効果になってしまう可能性があります。
先ほど出た「リスカやめて!」という言葉のように、リスカをしている相手に使うのに好ましくない、いわゆる「地雷ワード」は他にもいくつかありますので、代表的な3つを見ていきましょう。
「リスカは、皆が(私が)悲しむ」
これは、よく言われましたね。
せっかく傷のない綺麗な肌なのに、傷つけたら親が悲しむよだとか、そんなことしたら皆が辛い気持ちになるよだとか。
リスカしている側からすると「この期に及んで私以外の人間を優先しなければいけないのか?」と怒りさえ感じますね。
辛くて息苦しくて、何とか生きるためにリスカをしているのに、それをみんなが悲しむからやめろというのは「私がリスカしてでも生きようとするのは、皆にとって悲しむことなのか?じゃあリスカやめてさっさと死ねばいいの?」としか受け取れません。
私はこの言葉のおかげで、リスカだけでなく自殺未遂まで増えたと思います。
リスカをする人には、最も使ってはいけないワードです。
「切る勇気があるんなら、ああすればいいのに」
こちらもよく聞きましたね。
確かに、リスカをすることは誰だって怖い、簡単には出来ない事です。
「そんな勇気のいることを出来るのだから!」と思うのはもっともかもしれませんが、この言動をする人は正直本質を分かっていない人だと思います。
「パンが無ければ、ケーキを食べればいいじゃない?」という過去の人の名言があるそうですが、それと同じです。
言われた方は「この人とは生きている世界が違うんだな」と一瞬で冷めてしまいますので、今後は当たり障りのない話しかしたくなくなるでしょう。
「わたしも、切るから」
これは、言われた方は一番厄介に思う言動です。
これを言った方は、リスカをする人と同じようにリスカをしてあげれば、共感してくれたと思って感激してくれるだろうだとか、私にリスカをさせないために辞めてくれるだろうだとか思っているかもしれません。
しかし残念ながら多くの場合、リスカをする相手はあなたがリスカしようがしまいが、どうでも良いと思っています。
むしろ、どうでもいいのに「私もリスカするから」と言われたら、厄介なかまってちゃんに絡まれてしまったような、面倒くさい気持ちになってしまいます。
こんな言動をした次の日には、あなたに対してリスカの話を一切しない、リスカをひた隠し精神的に距離を置かれてしまう事でしょう。
本当にその人にリスカを辞めさせても良いのでしょうか?
リスカを辞めさせる方法について、お伝えして参りました。
しかしリスカをやめさせる前に、考えて欲しいことがあります。
その人は、本当にリスカをやめても良い人なのか?という事です。
もしかすると、その人はリスカをすることで自殺を踏みとどまっているかもしれない。
リスカをすることで、何とか理性を保っていられるのかもしれない。
その人その人によって、リスカというものの意味は異なります。
ただ、「何かしらを支えるために」リスカをしているという事は忘れないでください。
リスカをやめさせたら、その人の中で何が起きるのか?という事を、第一に考えて欲しいです。
あなたは一体誰のために、何のために、リスカをやめて欲しいのでしょうか。
まとめ
実際にリスカを経験し、辞めるために効果的だった事をふまえて、リスカをやめさせる方法をお伝えしていきました。
リスカをすぐにやめさせるのは難しく、時には年単位で時間が必要な場合もあります。
あなたが、本当にリスカをやめさせると思っているのであれば、根気強く、相手に寄り添って下さい。
今は落ち込んでいて立ち上がれない状況かもしれませんが、あなたが時間をかけて支えた分が、相手が立ち上がった時に相手自身を支える力になります。
時間はかかりますが、リスカは辞められないものでは無いのも事実。
一緒に頑張っていきましょう。
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